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東京デザインウィークでの火災について思うこと

2016-11-09

先日、照明(あかり)を作る者として、
最も起きてほしくない事故が起きてしまいました。

 


亡くなられたお子さんのご冥福をお祈りするとともに、

ご遺族には心よりお悔やみ申し上げます。

 


これまで私も、制作時は元より、お教室での安全に関しての注意喚起には、

殊のほか気を遣ってきたつもりですが、今後もこのことを心にしっかりと刻み、

改めて基本スタンスを大事にすべきと実感いたしました。


そんな悲しい状況ではあるのですが、たまたま一昨日が定休日だったため、

一連の報道をくまなく見る機会を得ました。
その際に、職業的に気になったこと、また感じたことがいくつかあったので、

今後のためにも記しておこうと思います。


いつも楽しい話題しか書いていませんでしたが、

引き続き手作りのあかりを楽しんでいただくためにも、

ご参考になればと思い、書いてみることにします。

 

 

 

#本当に、白熱電球=危険 なのか?!

昨日の日中の報道、特にワイドショーでは、白熱ランプとLEDランプを点灯し、

キャスターが実際に素手で触れる実演がされていました。

 

白熱ランプには、「あ〜白熱電球は熱くて触れませんね〜」「これは危ないですね〜」

とレポートしています。

 

反対にLEDランプには「LED電球は触れますね〜」「そんなに熱くないですね〜」と。


どちらにもw数の表記はありません(w数とは、消費電力量です)。

どのくらいの時間、点灯していたのかも不明です。

 

夕方から夜の報道になると、時間に余裕ができたためか、かんな屑が用意され、

その中に両ランプを直接触れるような形で入れ、何分で発火するかを

計る実験をするようになりました。

 

LEDランプからは発火はせず、白熱ランプからは数分で火が上がるという映像が、

映し出されました。

 

こちらもw数の表記はありません。

 

 

さて、これらを見た一般の方達は、いったいどう感じるのでしょうか。

 

私は、このやり方には少々違和感を覚えました。

確かに白熱電球は、LED電球より効率の悪さから熱が多く発せられます。

そのことは自体は誤りではないですが、w数を未表記のまま、

白熱電球=危険、といわんばかりの見方はやや乱暴で一方的です。


同時に、LED電球とて、熱が全くでないわけではないのです。

 

先日も展示会でLEDランプを使用しましたが、搬出時には素手では触れないほど、

ランプが熱くなっていました(ランプはおよそ6wです)。

 

これらはTVなど、限られた時間で分かり易く説明するには

都合がよいやり方なのでしょう。

とは言え、白熱電球=危険 LED電球=安全 という単純な見方では、

新たな誤った認識を与えかねないと感じています。

 

 

#真の原因は、目的の取違いにあるのではないか?

一昨日の一連の報道は、「白熱電球と木材」が1セットになり、原因とされました。

確かに、燃えやすいものと熱源ですから、出火原因には違いありません。

 

が、元の照明器具は「投光器」だったようです。

 

投光器とは、字の如く、光を集めて、対象を明るく照らすための器具です。

よって、高wの電球が用いられます。低いw数のものでは光を飛ばせないからです。

 

これは想像ですが、恐らく学生達は、オブジェを明るく(あるいは何か効果を狙って?)

するために外側から投光するために器具を持ち込んだのではないかと思います。

実際、事故が起きた日までは中側では使われていなかったようです。
伝達ミスがあったのでしょうか。

なぜか事故当日には投光器が中に仕込まれてしまいました。


高wの電球は、いわゆる “あかり” には向きません。

白熱だろうがLEDだろうが、中に仕込むべきものではないのです。

 

出展したのは工業大学とのことですが、

工学に明るい学生なら、そのことは容易に理解できたはずでは?と思われるのですが…。

 

また、報道では「おがくず」「木屑」とも言われていますが、

正確には「かんな屑」のようですね。
 

かんな屑は消防法で指定可燃物の扱いで、一定量を越すと届け出が必要な対象物です。
今回はそこまでの量ではなかったのでしょうけれど、

そもそも素材自体が、とても燃えやすいものだったのです。

 

これはもう、ランプの種類の云々ではないかとも思います。

 

 

#手作りの照明は安全なのか?!

手作りのあかり作りで何が一番大切か?と聞かれれば、

迷わず「安全に作ること」と答えます。

 

これ以外に答えはありません。

 

手作りであっても照明器具である以上、

デザインより何より優先されるべきことは「安全」です。

これが担保されて初めて、自由なデザインができます。

 

教室内、特に講師を養成する講座では、煩いまでにこのことを私が訴えるので、

きっと生徒さんたちは耳タコ状態になっているかと思います。

(一般のお教室では、その安全を確認しながら進めているので、

教室内で、生徒さんがピリピリしながら制作をすることはありません)

 

今回の不幸な事故を踏まえ、基本のスタンスの大切さを改めて感じました。


と同時に、手作りの照明(あかり)を多くの方に安全に、

今後も楽しんでいただきたいという想いを強くしております。


#最後に…

 

今回、出展をしたのが学生だったことに、個人的にはとても悲しい思いがします。

 

誤解を恐れず言うならば、

彼らだって、誰かを喜ばせようと思っていたに違いないと感じるからです。


「東京デザインウィーク」の運営や安全管理については、

詳細がわからず明言は避けますが、

デザインそのものは、人を幸せにするためにあることには変わりないと思います。

あかりも同じ。誰かを幸せにできるようなものであるように、
私も心して臨んでいきたいと思います。

 

 

改めまして、亡くなられたお子さんのご冥福をお祈りいたします。